CATVにはプロバイダ契約が必要?特徴や欠点について解説

自宅にケーブルテレビが引かれているなら、有線接続を使ったCATVのネット回線が利用できます。
CATVでもネットに接続はできますが、利用時にプロバイダとの契約が必要なのか、疑問に思う人は多いでしょう。
また、本当にCATVのネット回線でよいのか、別回線のほうがよくないかと、悩む人も少なくありません。
CATVの特徴を理解して、利用すべきかどうかの判断の材料にしましょう。
CATVにプロバイダ契約や料金は必要?
まず大前提で知っておきたいのが、CATVではプロバイダとの契約は必要なのかということです。
ネットを利用するには、回線業者とプロバイダの両方と契約しなければなりませんが、CATVは通常のネット回線とは勝手が違います。
また、料金の問題もあるため、基本的な疑問を解決しておくことが大切です。
一本化しているため基本的には契約不要
結論から言えば、CATVの場合は、基本的にはプロバイダとの契約は必要ありません。
CATVは光ファイバーとテレビ放送のケーブルを組み合わせたサービスです。
いわばケーブルテレビのサービスを提供する業者が、回線業者とプロバイダ両方の役割を担っている状態です。
サービスが一本化されているため、別途契約は不要であり、ケーブルテレビの契約をしているなら、自動的にプロバイダとも契約していると考えましょう。
もちろん、業者によっては別途プロバイダ契約が必要なこともありますが、一本化したサービスを提供しているところがほとんどです。
プロバイダ料金はCATV月額料金に含まれている
特例的に別途プロバイダと契約する場合を除いて、全ての料金はCATVの月額料金内に含まれると考えましょう。
テレビサービスから回線サービス、プロバイダサービスまで込みの料金のため、別途支払いが増えることはありません。
プロバイダ料金まで込みの値段になっているため、月額料金が多少高くても、仕方ないと言えるでしょう。
一本化しているため分かりづらくはありますが、プロバイダとも契約していて、料金が発生していることは覚えておかなければなりません。
あくまでサービスを提供する業者がひとまとめになっているだけで、CATVの場合でも、他の回線と同様にネット接続にはプロバイダの存在が必須です。
CATVのインターネット回線の特徴
ネット回線はCATV以外にも複数あり、選択肢はひとつではありません。
数ある中からCATVを選ぶなら、特徴を正しく把握しておくことが大切です。
メリット・デメリットの両面がありますが、基本的にはメリットが大きいと考えましょう。
有線のため回線が安定している
CATVはケーブルテレビ回線を使っていることが特徴で、ネットには有線で接続します。
有線接続のため、機器を動かせないというデメリットはありますが、反面回線が安定しているというメリットもあります。
無線接続は便利ですが、周辺環境に邪魔されて、電波が上手く入らないことも少なくありません。
特に悪天候時に影響を受けることが多く、雨や強風で全く電波が入らなくなるということもあるでしょう。
CATVの場合は、大元の回線が断絶しない限り、悪天候時でも問題なく利用できます。
電波障害が起きづらいため安定してネットを楽しめますし、通信速度も優れているものが多いです。
アップロードに弱い
CATVはテレビ受信のように、電波を受信することに長けた回線です。
そのため、アップロードには弱く、上り回線はそれほどスピードが出ないことは理解しておきましょう。
メールの送信程度ならそれほど問題はないでしょうが、容量の大きい写真や動画をアップロードする際には、不便を感じることもあります。
SNSをよく利用する人は、閲覧は便利でも投稿はストレスを感じやすいため注意が必要です。
しかし、反対に受信力には優れているため、ダウンロードの速さは魅力です。
CATVはもともとケーブルテレビの電波を受信するために使われているため、大容量のファイルでも問題なくダウンロードできます。
動画やオンラインゲームといった、容量の大きいファイルをダウンロードで頻繁に利用する人に向いている回線でしょう。
ネット回線とテレビの料金をセットにすると安い
業者によって提供するプランは違いますが、ネット回線とテレビサービスの両方を提供している場合は多いです。
2つのサービスがある場合は、セットにして加入すると、セット割引が適用されます。
割引金額は業者や契約内容によって違うものの、通常より安く利用できるのは確かです。
テレビとネットの充実したサービスを安価で利用できるため、可能な限りセットで申し込んだほうがよいでしょう。
CATVと光回線の比較
ネットを利用すると考えた時に、CATV以外で選択肢に上がりやすいのが、光回線です。
光回線は今やネット回線のスタンダードとも言えるため、違いを比較しておくことが大切です。
通信速度 | 月額料金 | 初期費用 | |
---|---|---|---|
CATV | 1Mbps~1Gbps | 2,980円~ | 9,000円~ |
光回線 | 1Gbps | 4,360円~ | 15,800円~ |
一概にどちらがよいとは言えないため、細かな違いを知り、自身にはどちらが合っているか考えましょう。
通信速度は光回線の方が速い
ネット利用に特化している分、光回線のほうが通信速度は速いです。
CATVでも最大速度で並ぶことはありますが、実効速度で見ると光回線に軍配が上がることがほとんどでしょう。
また、光回線のスタンダードは1Gbpsですが、中には2Gbps以上出せる回線や、オプションも存在します。
最大速度だけではなく、全体的な通信性能で見ても光回線のほうが優れています。
ネットしか使わず、それもかなり頻繁な利用になるなら、光回線を選んだほうがよいでしょう。
月額料金の差はほとんどなし
上記の表で見ると、CATVのほうが圧倒的に月額料金は安いですが、あくまで最安値にすぎません。
CATVはプランによってネットの最大速度が変化し、光回線と同程度まで速度を上げるなら、月額料金はほとんど変わらないでしょう。
光回線業者も数が多く、中にはリーズナブルな価格帯でサービスを提供するものもあります。
プロバイダと一本化していることが多いことから、CATVのほうが安くなりやすいですが、その違いは微々たるものです。
通信速度が遅くてもよいならCATVのほうが安いですが、ある程度の水準でネット利用を求めるなら、費用はほぼ同じと考える必要があります。
初期費用はCATVの方が安い
新規回線開通時の費用は、CATVのほうが安い傾向にあります。
業者によって金額は違うものの、最低料金の安さで比較するなら、圧倒的にCATVのほうがお得でしょう。
光回線の場合は、4万円近くかかることもあります。
初期費用はある程度かかると考えなければなりません。
ただし、どちらとも契約の方法次第で、工事費は減額、あるいは無料にできる場合があります。
業者が公式に実施するキャンペーンを使ったり、代理店の特典を利用したりすると、初期費用はいくらでも抑えられます。
金額の違いはあるものの、どちらも工夫によって無料にできるという点では、それほど気にする必要はないでしょう。
CATVのインターネットサービスを利用する時の流れ
スムーズにCATVでネットを利用するには、申し込みから利用開始までの流れを知ることが大切です。
- エリアを確認して申し込む
- 申し込み内容を確認して工事日を決定する
- 工事の実施と機器の設置が行われる
全体の手順は、大きく分けると3つです。
業者ごとに詳細は違いますが、ここでは全国的にサービスを展開する「J:COM」を例にご紹介します。
1. エリアを確認して申し込む
対応エリアの広さはCATVの魅力ですが、必ずしもどこでも利用できるとは限りません。
まずは利用可能エリアか確認が必要です。
申し込み先のホームページから、サービス提供エリアに該当するかチェックしておきましょう。
提供エリアに該当するなら、そのまま公式サイトから申し込みフォームへと移動します。
2. 申し込み内容を確認して工事日を決定する
各種情報を入力して申し込むと、業者からメールや電話で連絡が来ます。
この時に詳細な工事日を決めて、本申し込みとなります。
単にネット申し込みはまだ仮予約の段階で、業者とやり取りをして工事日まで決めなければならないことは理解しておきましょう。
工事日は希望も出せますが、業者の都合次第では叶わないこともあるため注意が必要です。
3. 工事の実施と機器の設置が行われる
工事日を迎えると、業者が自宅にやってきて宅内工事を行います。
宅内工事は1~2時間程度で済む場合が多いですが、立ち会いが必須なため注意が必要です。
契約者本人でなくてもよいため、家族や友人に代理を頼むことも可能です。
機器の設置や接続、設定をしてもらい、ようやくネットが利用できます。
CATVは工事完了後すぐにネットが利用できて、工事日当日から使えるのも魅力のひとつでしょう。
CATVのインターネットを利用するべき人とは
魅力的なポイントは複数ありますが、自身の場合はCATVを利用すべきなのか迷ってしまう人もいるでしょう。
CATVがおすすめなのは、以下の2点に該当する人です。
- テレビで多くのチャンネルを視聴したい人
- 賃貸にケーブルテレビの回線がすでに引かれている
自身の状況では、CATVか他の回線のどちらが良いかを、考えてみましょう。
テレビで多くのチャンネルを視聴したい人
そもそもCATVはケーブルテレビが観られるサービスです。
そのため、テレビ利用が多い人はCATVがおすすめであり、特に数多くのチャンネルを楽しみたい人に向いているでしょう。
BSやCSはもちろん、数多くの専門チャンネルを楽しめるのがCATVの魅力です。
ネットを利用したいのは大前提の条件ですが、それ以上にテレビの楽しみを増やしたい人は、CATVがおすすめです。
賃貸にケーブルテレビの回線がすでに引かれている
賃貸や集合住宅に住んでいるなら、建物にすでにケーブルテレビ回線が引いてあることもあるでしょう。
回線があるなら新規開通は不要であり、契約だけですぐに利用できるためおすすめです。
また、中にはCATVのサービスが家賃に含まれていることも多く、無料で利用できることもあります。
無料で利用できるなら、当然使うに越したことはないため、無理に別回線を引く必要もありません。
ネット利用に不便を感じる場合でも、自身で上乗せしてプランを拡大できる場合もあります。
ネット利用メインで新規開通なら光回線がおすすめですが、すでにケーブルテレビ回線があるならCATVがおすすめでしょう。
テレビを観るならCATVを選択しよう
ネットよりもテレビをメインにサービスを利用したいなら、CATVがおすすめです。
ケーブルテレビを楽しみながら、おまけでネットを使うくらいならばCATVで全く問題はありません。
ネットメインなら光回線を、テレビ重視ならCATVと、求めるものに合わせて契約回線を選択しましょう。