プロバイダによって速度が変わる原因とは?光回線ごとにおすすめのプロバイダを比較

インターネットを利用する際、回線とプロバイダを契約する必要があります。
どの回線やプロバイダを契約するかは、「安さ」や「速さ」を基準に選ぶことが多いです。
安さは料金を比べればわかりますが、インターネットの速さはどのように決まっているのでしょうか。
結論からいうとインターネットの速度を決めているのは「回線」です。
しかし回線はあくまでも速度を決めているだけなので、同じ回線でもプロバイダによって速度が不安定だったり、遅く感じたりすることがあります。
こうしたインターネット速度の安定性に関わるのが「プロバイダ」なのです。
この記事では、プロバイダと通信速度の関係やプロバイダによって速度が変わる原因、安定した速さでインターネットを使えるおすすめのプロバイダなど詳しく紹介していきます。
プロバイダと速度の関係とは?
冒頭でも紹介したように、インターネットの速度は回線、速さの安定性はプロバイダによって決まります。
インターネットの速度を決めるのは回線ですが、いつも同じ速さが出せるとは限りません。
なぜならインターネットに接続する際、必ずプロバイダを経由するからです。
そもそも回線が「これくらいの速度が出せます」と公表しているのは、「理論値」と呼ばれるものです。
理論値とはプロバイダを含める様々な条件が、すべて良い状態になってはじめて出すことができる最大速度のこと。

本来は速い回線でも、利用するプロバイダの状況によっては理論値ほどの速度が出せないのです。
インターネットに回線を繋ぐ役割を持つプロバイダも、実測値の変動に関係しているのです。
プロバイダとは?インターネット契約前に初心者が知っておくべき知識
プロバイダの速度を測定する方法
回線が決める速度を「理論値」と呼ぶのに対し、実際にインターネットの使用中に測定できる速度は「実測値」と呼ばれています。
実測値は、回線やプロバイダの加入者数や通信方式など、条件によって変動します。
利用しているインターネットの実測値は次のような専用サイトで測定することができます。
これらの速度計測サイトでは基本的に、プロバイダだけでなく回線と合わせた速度を測定します。
なかでも特におすすめなのが「SPEEDTEST.net」です。
データの送信に必要な上り速度(アップロード)とコンテンツの閲覧に必要な下り速度(ダウンロード)のほかに、サーバの応答速度を表す「Ping値」を調べることができます。
Ping値はオンラインゲームをよく使う場合にチェックしておきたい項目です。
プロバイダの速度を計測する方法についてはこちらで詳しく解説しています。
プロバイダの速度を測定する方法と遅い場合の対処法を徹底解説
プロバイダによって速度が変わる3つの原因
プロバイダによってインターネットの速度が変わる原因は大きく分けて次の3つです。
原因となる項目 | 詳細 |
---|---|
プロバイダの規模(加入者数) | ユーザーが増えるほど通信速度が遅くなる可能性が高い |
プロバイダのスペック(設備の強さ) | 設備が弱いと接続トラブルが起こりやすく、復旧に時間がかかる可能性がある |
プロバイダが提供する通信方式 | IPv6に対応していないと速度が改善されない |
回線自体のポテンシャルを最大限に引き出すためには、こうした項目が速度を変動させる原因になることを考慮してプロバイダを選ぶ必要があります。
次の項目から、それぞれの内容を詳しく見てみましょう。
プロバイダの規模(加入者数)
回線に加入している人数が多いと速度が遅くなりやすいですが、プロバイダも同様に加入者数が速度の安定性に関係します。
限られた光回線のなかで契約するプロバイダは、インターネットに自宅の回線をつなげる役割を持っています。

高速道路の道路自体を整備しているのが光回線だとすると、プロバイダはその入口(料金所)を管理しているのです。
そのためユーザーが増えれば増えるほど入口で渋滞が起こりやすくなり、速度が遅くなる可能性が高くなるのです。
プロバイダのスペック(設備の強さ)
インターネットに回線を接続する役割を持つプロバイダは、そのスペックによっても速度が変動します。
設備が弱いと、工事や落雷による物理的な接続トラブルが起こりやすくなったり、復旧に時間がかかったりする可能性があるのです。
また先ほども説明したように、利用者が多くなれば多くなるほど速度が遅くなりやすいです。
しかし利用者が増えても速度を安定させられるだけの設備が整っていたり、利用者の増加に合わせて設備を充実させたりできる対応力があれば、より安定した速度でインターネットを提供することができます。
利用者が設備の強さを知ることはできませんが、大手プロバイダは大人数に対応できる設備を保有しており、地方などの小さいプロバイダは設備が弱い可能性があります。
そのため利用者が多くても速度に関する評判が良い大手プロバイダがおすすめです。
プロバイダが提供する通信方式
通信方式には次のような種類があり、プロバイダによって提供しているサービスが異なります。
- IPoE
- PPPoE
なかでも速度が遅いといわれているのが、PPPoEという通信方式です。
PPPoEでは、回線やサイト・コンテンツがIPv6に対応しているかどうかに係わらず、速度が最大200Mbpsに制限されます。
しかしプロバイダがIPoE方式の「v6プラス」や「IPv4 over IPv6」などのサービスを提供していれば、サイトなどの規格に関わらずIPoE方式という通信方式で接続できるため、サイトごとの通信速度の遅延が起こりにくくなります。
ドコモ光のIPv6通信とは?おすすめの対応プロバイダなどを紹介
プロバイダが原因で速度が遅い場合の対処法
遅い原因がプロバイダにある場合、主に次のような方法で対処することができます。
- プロバイダに問い合わせる
- オプションを使ってみる
- プロバイダを乗り換える
次の項目からそれぞれ詳しく見てみましょう。
プロバイダに問い合わせる
プロバイダによって速度が遅い場合、プロバイダのサポート窓口に問い合わせてみましょう。
プロバイダが原因であれば、同エリアに住んでいる人から似たような問い合わせがプロバイダに届いている可能性が高いです。
工事や落雷などによる物理的な接続トラブルが起こった場合、復旧などに関する情報がすでに掲載されることもあるので、公式サイトもチェックしておきましょう。
サポート窓口に問い合わせても、プロバイダのせいではないという返答がくる場合もあります。
その際は、あらかじめ速度測定をして原因を特定したことを伝えるのもひとつの手です。
また問い合わせた際は、速度改善の予定の有無も確認しておくと良いです。
速度遅延が一時的なものであれば、復旧を待つことができます。
しかし設備を増やすなどの大掛かりな場合は、すぐに改善されるとは限らないため、オプションの利用やプロバイダの乗り換えも検討する必要があります。
オプションを使ってみる
混雑による速度遅延の場合、IPv6(IPoE)というオプションサービスを利用することで速度が改善される可能性があります。
申し込み不要でIPv6に対応しているプロバイダもありますが、従来の規格であるIPv4から切り替えが必要なプロバイダも多いです。
速度が遅いと感じたら、自分が今どの通信方式でインターネットを利用しているのか、マイページや契約書などで確認してみましょう。
しかしIPv6に対応していない一部のサイトやサービスでは、速度が改善されないケースもあります。
そこで注目したいのが、先ほども紹介した「v6プラス」や「IPv4 over IPv6」などのサービスです。
サイトなどの規格に合わせた接続方式を利用するので、より多くのサイトやサービスで通信遅延を少なくすることができます。
プロバイダを乗り換える
速度遅延が頻繁に起こる場合やv6プラスなどのオプションサービスを提供していない場合には、プロバイダの乗り換えもひとつの手です。
先ほども紹介したようにプロバイダによって速度遅延が起こる場合、その原因はプロバイダの規模や設備の強さ、提供する通信方式にあります。
乗り換える際は、次のようなプロバイダを選びましょう。
- 利用可能な地域を限定しつつも知名度があり、加入者が多すぎないプロバイダ
- 加入者の増加にも耐えられる設備や対応力を備えている大手プロバイダ
- v6プラスなど通信サービスが充実しているプロバイダ
速度はもちろん、料金やその他のサービスもチェックしてくださいね。
プロバイダの選び方については、次の記事で詳しく紹介しています。
インターネットのプロバイダの選び方3つのポイント!光回線別おすすめプロバイダを紹介
回線とプロバイダを変えても速度が遅い理由
回線やプロバイダを変えても、次のような場合には速度が遅いことがあります。
- ルーターやLANケーブルのスペックに問題がある
- PCやスマホ、タブレットなど機器に問題がある
- マンションなどの集合住宅に住んでいる
インターネットの速度は、機器の年式やスペック、ソフトやアプリのバージョンなど、様々な条件に左右されます。
回線やプロバイダを変える場合は、まず自分の使っている機器や環境に問題がないかも確認しておきましょう。
次の項目からそれぞれ説明していきます。
ルーターやLANケーブルのスペックに問題がある
回線が決める通信速度は、プロバイダだけでなく周辺機器の年式やスペックによっても変動します。
そのため機器の年式が古かったり、スペックが低かったりすると、回線が本来出せるはずの速度を下回ってしまうのです。
無線LANルーターを利用している場合は、ほかの電波を発する機器や水のそばに置いていると接続が不安定になりやすいです。
また接続する機器の台数が多すぎると、通信速度が遅くなる可能性があります。
ルーターだけでなく、LANケーブルのチェックも忘れずに行いましょう。
LANケーブルが断絶しかけていたり、劣化していたりすることで通信速度が低下している可能性もあります。
ほかにも、LANケーブルの規格が回線に合っていない場合もあります。
実は、LANケーブルにも規格があり、「カテゴリー(CAT)」によって最大の通信速度が異なるのです。
カテゴリー | 対応可能な通信速度 |
---|---|
CAT5 | 100Mbps |
CAT5e | 1Gbps |
CAT6 | 1Gbps |
CAT6A | 10Gbps |
CAT6E | 10Gbps |
CAT7 | 10Gbps |
せっかく光回線が1Gmpsに対応していても、旧型であるCAT5のLANケーブルを使っていると100Mbpsまでの速度しか出せません。
また10Gbpsに対応しているからといって、光回線の最大速度を超える速さになるわけではありません。
そのため、LANケーブルを買い替える場合はCAT5eやCAT6のLANケーブルがおすすめです。
PCやスマホ、タブレットなど機器に問題がある
インターネットに接続するPCやスマートフォン・タブレットが原因で速度が遅くなる場合もあります。
それぞれの機器には、OSと呼ばれる動作システムが搭載されています。
このOSや利用しているソフト・アプリケーションのバージョンが古いと、インターネットの通信速度は遅くなりやすいです。
また機器自体のメモリー不足により通信速度が低下する可能性もあります。
マンションなどの集合住宅に住んでいる
マンションに住んでいる場合、インターネットを利用する世帯数や時間帯によって通信速度が遅くなりやすいです。
一戸建ての場合、近くの電信柱から光ファイバーケーブルを直接引き込みますが、マンションの場合は建物にある共有部分に引き込んでから、各部屋にインターネット回線を分岐させています。
建物全体で光ファイバーケーブルを共有しているため、一戸建てに比べて遅くなる可能性が高いのです。
おすすめのプロバイダは?速度が安定しやすいプロバイダ比較
ここまでプロバイダと速度の関係や速度が遅くなる原因を紹介してきました。
では実際にどのプロバイダを選べば、安定した速度でインターネットを利用することができるのでしょうか。
ここでは回線会社ごとにおすすめのプロバイダを紹介していきます。
回線 | おすすめのプロバイダ |
---|---|
ドコモ光 | GMOとくとくBB、@nifty、DTI |
auひかり | So-net、DTI、BIGLOBE |
NURO光 | 契約可能なプロバイダがSo-netのみ |
ソフトバンク光 | 契約可能なプロバイダがYahoo!BBのみ |
フレッツ光 | So-net |
次の項目からそれぞれ詳しく見てみましょう。
ドコモ光ならGMOとくとくBB、@niftyがおすすめ
ドコモ光では提携の25社からプロバイダを選ぶことができますが、特におすすめなのが次の2社です。
- GMOとくとくBB
- So-net
知名度の高いこの2社はv6プラス通信に対応しています。
さらに通常は自分で購入しなければいけないv6プラスに対応した無線LANルーターを無料でレンタルできるのが特徴です。
v6プラスやIPv4overIPv6通信に対応したルーターを購入しようと思うと、1万円ほど必要です。
しかしGMOとくとくBBや@niftyなら、これらの通信に対応した高機能なWi-Fiルーターを無料でレンタルすることができます。
この2社は新規契約時のキャッシュバックも大きいため、お得です。
次の記事では、ドコモ光が提携しているプロバイダをさらに詳しく比較しています。
ドコモ光のプロバイダ比較!全26社からおすすめ3社を徹底検証
auひかりならSo-net、BIGLOBEがおすすめ
auひかりでは、IPv4にしか対応していないサイトでも通信遅延が起こりづらい「IPv4/IPv6デュアルスタック」方式を採用しています。
ほかの回線ではIPv4とIPv6両方の通信に対応していても、契約するプロバイダによってはIPv6通信が利用できない場合があります。
しかしauひかりで選べるプロバイダ7社はすべてIPv6通信に対応しています。
なかでもおすすめなのが次の2社です。
- So-net
- BIGLOBE
どちらも知名度が高く、新規契約時のキャッシュバックが大きいのも魅力的です。

auひかりでプロバイダを検討する際は、次の記事も参考にしてくださいね。
auひかりのプロバイダ7社を全比較!一番お得はプロバイダはどこ?
NURO光は契約可能なプロバイダがSo-netのみ
NURO光で契約可能なプロバイダは「So-net」のみです。
回線とプロバイダ、両方ともソニーネットワークコミュニケーションズが運営しているためです。
NURO光は対応エリアが狭いですが、速度は最大10Gbpsと世界最速を謳っています。

ソフトバンク光は契約可能なプロバイダがYahoo!BBのみ
ソフトバンク光のプロバイダには、「Yahoo!BB」しか選ぶことができません。
プロバイダを選ぶことはできないものの、通信速度に関しては無線LANルーター「光BBユニット(月額467円)」をレンタルすることで
「IPv6高速ハイブリットIPv6 IPoE + IPv4(IPv6通信)」を利用できます。

フレッツ光ならBIGLOBEがおすすめ
フレッツ光は、対応しているプロバイダが多いのが特徴です。
しかし利用できるプロバイダが多いということは、迷う選択肢が増えるということになります。
結論からいうと、フレッツ光のプロバイダとしておすすめなのは「BIGLOBE」です。
利用者満足度が高く、キャンペーンの適用により月額料金を安くできるという魅力もあります。
またBIGLOBEはIPv6オプションにも対応しています。
まとめ
通信速度は回線によって決まるので、インターネットを契約する際はまず速度の速い回線を選ぶ必要があります。
しかしプロバイダと速度が全く関係ないわけではありません。
回線が決めるのはあくまでも条件がすべて揃った場合の最大速度なので、実際に使用したときのインターネット速度はプロバイダによって変動する可能性があるのです。
回線会社によって利用できるプロバイダが異なりますが、「v6プラス」や「IPv4 over IPv6」に対応している大手プロバイダを選ぶとプロバイダが原因で速度が遅くなる可能性が低くなります。
プロバイダのなかでも特におすすめなのがSo-netやBIGLOBEです。
料金やサービスは回線によって違うので、自分のライフスタイルや環境にあわせてプロバイダを選びましょう。
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